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赤坂旅行会記事掲載「熊本県人吉の旅」

2014.11.25

青井阿蘇神社
青井阿蘇神社

赤坂会旅行記

熊本県人吉の旅

 旅行の楽しみは、その土地土地の景色、温泉、食べ物、名産、施設などに触れられることにあるが、その土地の人情に浸ることも大きな喜びである。今回の旅行はとりわけその趣を強く感じさせられた旅行であった。それは旅行幹事の秋山さんの郷里を旅させていただいたことにある。行く先々で、秋山さんの幼馴染や顔なじみに会い、心のこもったサービスをいただいた。秋深まる11月3日(月)4日(火)総勢9名は羽田発8:15の鹿児島行きに乗った。天気快晴。微風の中、ホテルから提供されたマイクロバスで、2日間人吉の町を案内して頂いた。
 今回の旅行の目玉は、球磨焼酎の製造所見学、球磨川舟下り、国宝青井阿蘇神社参拝にあるが、それ以外にも、2回の昼食処、宿泊所、立寄り先など、我々の好奇心を満足させるに十分な仕組みが用意されていた。球磨川名物の尺鮎と猪汁で昼食を済ますと、近くの山に向かい1000年杉の林で胸いっぱい冷気を吸い込み、大石酒造に向かう。そこは、球磨焼酎28製造所の中で、もっとも山奥の源流を使っているところで、友人の6代目が案内してくれた。実直で穏やかな人柄と、強い信念の太い眉が印象的な青年であった。そこで試飲した「大石」は鹿児島の有名焼酎「森~」「魔~」「伊~」よりも口当たりが良く、原料が米なので、とても喉越しのいいものであった。今後知られれば女性に人気の出ることは間違いないであろう。

代々の蔵守りきて豊の秋    靖夫

 夕暮れ近くなったところで、立寄ったところが、お茶の販売店であった。ここでは、商品のお茶の話よりも珍しいものを見せていただいた。「ウンスンカルタ」というものをご存知だろうか。なんでも、室町時代にポルトガルから日本に入ってきたもので、船員たちの手慰みの花札やトランプのようなもので、江戸時代には全国的に広まったが、博打性が強いということで、禁止令がでて、なぜか人吉だけに残ったということである。手詰まりで、どうにもこうにもならず、黙ってしまうことを「うんでもなければすんでもない」と言うが、ここから発祥した言葉だそうである。お茶屋の主人が紙芝居を使って、説明してくれました。

秋うららウンスンカルタの紙芝居  靖夫

 翌日、起きると一面霧で覆われていた。ここは盆地なので、この時季はいつも霧がでるそうである。ホテルから数分のところにある人吉城跡を散歩。ひんやりした空気の中をひたすら700年の歴史ある石段を登り、頂上に着いたときは足がぱんぱんになっていた。しかし、そこから見下ろす人吉城下と悠然と流れる球磨川を見ていると、当地を治めていた相良家代々の名領主ぶりが偲ばれる。次は午前中のメインである球磨川下りだ。ここは清流下りと急流下りがあり、今は水量が少ないとかで、急流下りは休みだそうである。10:30に発船所を出て、1時間半の船旅である。舳先と艫にそれぞれ船頭が乗り、長い竹竿と櫂を操って下っていく。時折両岸の低い岩には彫刻のように動かない青鷺が、小魚を待ち構えている。川に沿って、右側は住宅地になっているらしく、旅館、マンションなどが川に向かって窓をつけている。左側は崖で大きな木が茂っている。舟は定員15人程度で、この日は3艘とも満員であった。のんびりと下りながら、時折流れるテープの案内を聞きながら、崖の人などに手を振っていく。できたら船頭の民謡でも聞かせてくれたら、もっと良かったと思ったがこの地方には五木の子守唄くらいしかないのだろうか。この歌は寂しい歌なので、あまりふさわしくない。そうこうしているうちに下船場に到着した。12:00

朝霧の晴れて球磨川下りかな    靖夫

 そろそろお腹もすいてきたところで、秋山さんお勧めの鯉料理の店に到着。鯉料理は苦手という人もいるが、そういう人は鯉の泥臭さが嫌なわけで、ここの鯉は清流の球磨川で育っているので全くその心配はない。鯉の洗い、鯉の餡かけ、鯉こくと鯉尽くしであった。食事の終わる頃おかみさんが顔をだしたが、小奇麗な人で秋山さんと親しそうに話していた。そして、この旅行最後の見学所は国宝青井阿蘇神社である。平安初期に建てられたそうで、本殿以外は全て屋根が茅葺で、建物も木造のため、かなり重厚な雰囲気がある。生憎時間がなかったので、建物内部は見られなかったが、随所に国宝と言われる細工が施されていた。そして、境内の一画で菊の展示会が催されていたのも、この季節を味わうことが出来、ラッキーであった。ここも秋山さんの友達に案内された。なんでも、まんが「サザエさん」にこの場所がでてきて、そこの案内人のモデルとなった人だそうである。そういわれるとそんな人がいたような気がした。予定にはなかったが、綿貫さんのはからいで正式参拝が行えたのはおまけであった。

千年の茅の社や菊日和    靖夫

まだまだ書きたいことがありますが、あとはそれぞれの思い出の中でときどき引き出してみてください。私は以前もらったままにしておいた「大石」をとりだして、秋の夜長、お土産で買ってきた「豆腐の味噌漬け」など肴にチビチビやることにします。秋山さんありがとうございました。    

報告者 宮本靖夫
       

千年杉の林
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球磨川くだり
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